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【インタビュー】fromHC掲載|転換期に立つ日本の船舶ファイナンス
本記事は、機関投資家・資産運用業界向け資産運用情報ポータルサイト「fromHC」に掲載されたインタビュー記事を、fromHC様の許諾を得て転載しています。本インタビューでは、当社代表・昼田が、足元の海運市場が抱える構造的課題や、当社が描く今後の事業ビジョンについて語っています。 fromHC様で掲載いただいたインタビュー記事はこちら 世界の海運市場は、地政学リスクや脱炭素を背景としたエネルギー転換など、多くの不確実性を内包しながらも、依然として世界経済を支える不可欠なインフラであり続けています。一方で、その収益構造や資金調達の仕組みは、一般的な金融・投資の視点から見ると極めて特異であり、十分

フィデューシャリーデューティー──信頼を守るためにできること②
どうも、日本マリタイムバンク代表取締役の昼田です! 前回は、「フィデューシャリーデューティー」という言葉との出会いと、その第一印象についてお話ししました。(フィデューシャリーデューティ──信頼を守るためにできること①) 最初は正直、滑稽にすら思えたこの理念ですが、その後いろいろな人と交流を重ねる中で、自分なりの解釈を持つようになっていきました。 まず、日本人には「投資は悪」といった潜在的なイメージがあると思います。 さらに、バブル期以降の長いデフレ社会を背景に、お金は「銀行に入れておくのが一番安全」という考え方がスタンダードになってきたのではないでしょうか? かくいう私も、真面目に働いて得た大

地方銀行員、インド・スクラップヤード「Priya Blue」訪問記
船舶投資と出口戦略を現場で学んだ一日中国銀行 川之江支店 光森亮太朗 こんにちは。岡山県の中国銀行 川之江支店に勤務する銀行員、光森亮太朗です。このたび日本マリタイムバンク様とのご縁をいただき、マリタイム・ライブラリーに初めて寄稿させていただきます。 普段は法人営業として船舶融資にも携わっていますが、常に意識しているのは 「出口戦略」 つまり資産が最終的にどのような価値を生むのかという点です。船舶は不動産と異なり、最期に解体され鉄や機械として再び資金化される特徴があります。この「出口の価値」をどう評価するかは、私にとって大きな関心事でした。 そんな折、インド・グジャラート州アランにあるスクラッ

フィデューシャリーデューティ──信頼を守るためにできること①
どうも、日本マリタイムバンク代表取締役の昼田です。「三日坊主」という言葉がありますが、夏休みの宿題のように書かされているこのブログも、気づけば3回目になりました 今回は少し視点を変えて、船舶業界の話ではなくクラウドファンディング業界について、マリタイムバンクが融資型クラウドファンディングを始めたときに、私が感じたことを書いてみようと思います。 当時のクラウドファンディング市場 私たちがこの世界の研究を始めたころは、クラウドファンディングそのものがまだ黎明期でした。市場の中心は、不動産クラウドファンディングと太陽光(ソーラーパネル)クラウドファンディング。 そんな中、1社だけ船舶を対象にしたファ

不公平なルールを味方につける──抵当権の力
船舶好景気の2004年からこの業界で仕事を始めた私は、当初は仕組みどころか「抵当権」という言葉すら知りませんでした。 当時は、中国という新たな巨大市場がほぼ無から現れ、あらゆるものが高騰していた時代です。マーケットが下落する理由は見当たらず、「失敗しようがない」という空気が市場を支配していました。 しかし、その状況は2008年の「リーマンショック」で一変します。 資金調達は止まり、荷動きは急減、船価も傭船料も暴落。それまで順調に運航していた船会社は一気に苦境に追い込まれました。運賃が支払えない、傭船料が支払えない──やがて船員費が払えない、燃料代が払えないという事態に。そして最後には、融資の返

船舶投資は安定?──長年の経験者が断言する“本当の姿”
どうも、日本マリタイムバンク代表取締役の昼田です。社内からの圧力(?)があるので、心を入れ替えて(なるべく)定期的に、海運や船舶投資について書いていこうと思います。 さて、みなさん、船舶投資って「安定的な投資」だと思っていませんか? とんでもない! 長年この世界に身を置いてきた私が断言しますが、船舶投資は簡単ではありません。大きく儲かることもあれば、プロでも痛い目を見る。時には全てを失うことだってある、そんな世界です。 当社が「個人にも船舶投資を!」と言っていますが、とてもそんな世界に、リテラシーのない一般の方をいざなうほどの勇気はありません。私たちが“融資型クラウドファンディング”という形を

モザンビーク出張記
日本マリタイムバンク営業部の阿部です! 今回弊社が関連会社向けに仲介した案件の現地調査を行ってきました。非常に興味深く面白い経験をしてきましたので、ブログに書かせて頂こうと思います! モザンビークとは? みなさん、「モザンビーク」という国をご存じでしょうか?アフリカ大陸の南東部に位置する国で、インド洋に面しており、天然ガス(LNG)と石炭の埋蔵量が豊富なことから、国際的なエネルギー投資の注目を集めており、資源・経済面で近年注目されている国の一つです。以下の通り簡単にまとめてみました。 今回弊社が仲介した船はモザンビーク北部の貧しい地域で行っている洋上発電船(Powership)による洋上発電プ

第一線の実務家が語る、海運法務のリアルとマリタイムバンクの挑戦
「船に関わる法務」と聞いても、多くの人にとってはピンとこないかもしれません。しかし、海運業界では場面ごとに異なる法体系に精通した高度な法的知識が求められます。たとえば、契約交渉では英国法やロンドン仲裁を前提に進めつつ、現場対応ではベトナムやシンガポールなどの現地の法律、そして公海上では国際条約に従う——。こうした複雑な世界を支えるのが、「海の法務」のプロフェッショナルたちです。 今回、インタビュアーを務めるのは、日本マリタイムバンク代表の昼田将司。海運ファイナンスの最前線で新しい挑戦を続ける立場から、長年にわたり国際海運分野で活躍してきたマリタックス法律事務所の簑原建次先生にお話を伺いました。

船舶チャータリングガイド|定期傭船、航海傭船、トリップ定期傭船の違いを解説
マリタイムバンク営業部の大竹です。 今回は、船舶業界に関わる皆様にとって重要な「チャータリング」について、私の経験を踏まえて解説する第2弾です。 チャータリングとは、簡単に言うと、船を借りてくる、あるいは船を貸して利鞘を稼ぐ仕事です。具体的には、ブローカーを通じて、船を実際にレンタルし使用します。 チャータリングには主に4つのタイプがあります。 不定期船(ドライバルクやタンカーなど)の運航会社(オペレーター)は、これらのチャータリングタイプを状況に応じて使い分けています。 今回は、定期傭船、航海傭船、トリップ定期傭船について詳しく解説していきます。 定期傭船 定期傭船は、期間で船を賃借する契約

海運におけるチャータリングとは
チャータリングとは? マリタイムバンク営業部の大竹です。私は前職ではバルクキャリア(ばら積み貨物船)のスープラマックス から パナマックスを担当しておりました。スープラマックス や パナマックスという単語は船の大きさを表します。 本日は、みなさんにはあまり馴染みがないであろう、船のチャータリング・傭船という仕事について私の経験も踏まえて解説したいと思います。 チャータリングとは、ものすごく簡単に言うと、船を安く借りてくる、あるいは船を高く貸して利鞘を稼ぐ仕事です。 一般的に海運会社では、Chartering Manager、穀物や石油会社のような資源会社の場合は、Freight Trader(