船舶投資のイロハ

【昼田ブログ12】なぜ海運市況は激しく動くのか?「FFA」とバルティック・インデックスの不思議な関係(前半)

日本マリタイムバンク代表取締役の昼田です!

前回のブログでは、フィデューシャリーデューティー(お客様の利益のために自分の職務を果たす事)に寄り道してしまいましたが、今回は予告通り、皆さんの知識量向上のための海運の話に戻します(笑)。

フィデューシャリーデューティー①のブログはこちら
フィデューシャリーデューティー②のブログはこちら

今回のテーマは、海運の人間なら誰でも知っている運賃指数、「バルティック・インデックス」についてです。

「バルティック・インデックス」って、そもそも何?

海運業界では、「今日のバルティックはいくら?」「バルティックやばいことになってるよ」といった会話が普通に出てきます。

このやたらとかっこいい名称「バルティック」とは、英国ロンドンにあるバルチック海運取引所(Baltic Exchange)が公表している海運市況の指数です。

バルチック海運取引所の歴史はかなり古く、起源は1744年のロンドンにまで遡ります。

当時、ロンドンに「Virginia and Baltick Coffee House」というコーヒーハウスがあり、そこに商人や船主、船長などが集まり、船や貨物の情報交換や商談をしていました。

船主は「自分の船に積む貨物はないか」と探し、商人は「自分の貨物を運んでくれる船はいないか」と探す。今でいう船舶ブローカーのマーケットが、コーヒーハウスの中にあったわけです。

こうして船と貨物、そして運賃に関する情報が集まる海運取引の中心として発展したバルチック海運取引所が、1985年から公表するようになったのが、現在私たちが「バルティック・インデックス」と呼んでいる海運指数です。

ちなみに、海上保険で有名なロイズ(Lloyd's)も、ロンドンのコーヒーハウスを起源としています。

ロイズがその後「海上保険」の世界へ発展していったのに対し、バルチック海運取引所は「船と貨物を結びつける海運取引」の中心として発展していきました。

あと、YouTubeのマリタイムバンクチャンネルにも投稿した「【SGX独占対談】船会社・荷主が知っておきたいFFA」で取材させてもらったシンガポール証券取引所(SGX)ですが、実は2016年にバルチック海運取引所を買収しています。

恥ずかしながら、私はこのブログを書いていて初めて知りました。その意味では、自分の知識向上にもこのブログ、役に立っています(笑)。

「バルティック・インデックス」は何を表しているのか?

船会社が船主から船を借りる際に支払う料金を「傭船料」と呼びます。

傭船料は「1日あたりいくら」という形で表されることが多く、バルチック海運取引所は、世界の主要な航路で船を借りるとどれくらいかかるのかを毎日調査し、指数として公表しています。

当然、世界景気が良く、運びたい貨物が増えて船が足りなくなれば傭船料は上がります。

反対に、景気が悪くなり、貨物に対して船が余れば傭船料は下がります。

つまり、バルティック・インデックスを見れば、「今、世界の海運が景気いいの?悪いの?」をざっくり知ることができる。海運市況を見るには、もってこいの指標というわけです。

こちらが1985年からのバルティック・インデックスの推移です。この長期チャートを見て、海運業界の人でも大きく二つの見方をするように思います。

一つは、「船と貨物の需給って、こんなに大きく変動するんだ」という見方です。

景気が良くなって貨物が増える、船が足りなくなる、傭船料が上がる。逆に景気が悪くなれば貨物が減り、船が余って傭船料が下がる。

つまり、実際の船と貨物の需給から、このチャートを見る考え方です。

もう一つは、「これ、株価や為替(FX)のチャートと同じじゃない?」という見方です。

実は私は完全にこちら側です(笑)。

もちろん、傭船料を動かしている根本には船と貨物の需給があります。ただ、これだけ上がったり下がったりを繰り返しているチャートを見ていると、「本当に実需だけでこんな動きになるの?」と思ってしまいます。

そして、こういうチャートを見ると次に考えてしまうことがあります。

「、、、これって、チャート分析できるんじゃない?」

さらに今なら、

「ディープラーニングやAIを使えば、将来の運賃を予測できるんじゃない?」

と考える人もいるでしょう。

実は私もやりました(笑)。

まだ生成AIが世の中に登場する前、バルティック・インデックスの過去データなどを使って、ディープラーニングで将来の海運市況を予測するシステムの開発に挑戦したことがあります。

結果はというと――全然ダメでした。

新聞などを見ていると、その後も「人工知能を使って海運市況を予測するシステムを開発します」といった企業の発表を何度か目にしました。

ところが、その後あまり続報を見かけません。

もしかすると、皆さん同じ壁にぶつかっているのかもしれません(笑)。

続きは後半で!

なぜ海運市況は激しく動くのか?「FFA」とバルティック・インデックスの不思議な関係(後半)


運賃先物取引「FFA」について詳しく知りたい方へ

マリタイムバンクではFFAの導入を支援しております。
FFAについて正しく理解したい、質問がしたい方は当社までお問い合わせください。

 会社概要
 FFAサービスサイト

【ご注意】

本記事は情報提供のみを目的としたものであり、投資の勧誘を意図するものではありません。
FFA取引では市場価格の変動により損失が発生する可能性があります。
また証拠金の追加差入れ(マージンコール)が必要となる場合があります。

登録番号
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3308号
貸金業者 東京都知事(2)第31818号
プライバシーマーク 第17005069号

加入協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
日本貸金業協会