記事一覧 海運のナレッジ

マリタイムバンクSNS『海運ニュース』から読み解く中国の南シナ海問題
マリタイムバンク営業部です。 海運の視点から日々のニュースを追っていると、中国による海洋進出の動きが一際目につきます。 今回は、普段マリタイムバンクのSNSを担当している私が、SNSに掲載した海運ニュース記事を振り返り、なぜ中国がこれほど強引に海洋進出を進めるかについて、南シナ海に焦点を当てて読み解いていきたいと思います。この記事を読見終わった時には、中国とアメリカの海洋覇権争いが身近に感じられると思います。 【2023.3.16 – SNS記事より】 日本とシンガポール、台湾、香港などを結ぶ海底ケーブルプロジェクトが、中国の反対と許認可問題のため計画より1年以上遅れています。海底ケーブルの許

2024年問題の解決策⁉RORO船とは?
マリタイムバンク営業部の阿部です!今回は出張記ではないのですが、2024年問題について書かせていただこうと思います。(最近海外出張に行けておらず…) 2024年問題とは? みなさんは2024年問題とは何かご存じでしょうか?これは働き方改革関連法の「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が2024年4月1日から開始され、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されてしまう問題です。これって良いことではないの?と思った方も多いのではと思います。これの何が問題かと言いますと、ドライバーの労働時間に上限が設定されることによって、会社の利益減少、ドライバーの収入減少、運賃の上昇

日本は島国なのに海運に関心が低い?!「海事クラスター」とは?
「海事クラスター」という言葉をご存知ですか? こんにちは、マリタイムバンク営業部です! 突然ですが、「海事クラスター」という単語をご存知ですか? 船舶ビジネスの世界を知る上で覚えていただきたい単語の一つです! クラスターは、もともと花やブドウの房(クラスター)を指す言葉で、海運・造船産業が直接・間接さまざまな周辺産業群がブドウの房のように隣り合い、密集して成り立っていることを示しています。新型コロナウイルスのニュースでよく聞く単語になりましたね。 海運でいうと、造船業、舶用工業を中心に金融、法務、保険、商社、ブローカーなどさまざまな業種を包含する広い概念で、世界ではノルウエーが先駆です。 日本

船をリサイクル?!シップリサイクルの取り組みとやり方
本マリタイムバンク営業部の阿部です! 遅くなりましたが、2023年明けましておめでとうございます。今年も色々な場所へ行き、読者の方々に興味を持ってもらえるような記事をたくさん書いていこうと思っておりますので、引き続き宜しくお願いします! さて、今回はインド出張記第2弾アラン編を今回は書かせて頂きます。 前回ムンバイ編はこちら 船は資源の宝庫?!リサイクルされている! いきなりですが、船もリサイクルされているということはご存じでしょうか?今の船の寿命は船の種類やメンテナンス状況にもよりますが、おおよそ20年~30年となっております。寿命が来た船は海に沈められているわけではございません! 船として

船員トレーニングセンターに船員セミナー!インド出張記 in ムンバイ
日本マリタイムバンク営業部の阿部です! 私、先日インドの大都市ムンバイ(Mumbai)とアラン(Alang)というところに行ってきました。色んなことを目の当たりにしてきましたので、今回のインド出張記はムンバイ編とアラン編に分けて書かせていただきます! みなさん、インドの首都はどこかご存じでしょうか? そう、ニューデリー(New Delhi)ですね!しかし、人口や経済はムンバイがインドでナンバーワンと言われています。ムンバイはインドの西海岸に位置しています。人口は2000万人を超えているようでして、今後も増え続ける見込みのようです。別名でボンベイ(Bombay)とも呼ばれます。実はムンバイの中心

船のブローカーって何?どういうお仕事?お給料事情は?
マリタイムバンク代表の昼田です。 今日は、 船の“ブローカー”という仕事について書いてみたいと思います。 ブローカーってなにする仕事? 船のブローカーは一言で説明すると、「街でよく見かける不動産仲介の船バージョン」です。3LDKの戸建て物件3000万円とか、ワンルーム家賃6万円とかのチラシを店の窓に貼っているアレですね。 船のブローカーは、船を購入したい船主さんに売船を紹介したり、船会社に傭船(レンタル)できる船を紹介したりする仕事で、「マッチングアプリでもできたらこんな仕事消滅するのでは?」と思わず思ってしまう業務です。 シンガポールでのブローカー生活、スタート!初めての仕事は…?! 私が2

世界中で働く「船員」を応援しよう!
こんにちは。日本マリタイムバンク昼田社長からのご好意で、このブログに寄稿をさせてもらうことになりました、ノルスターシッピングの蓮井賢治と申します。私は長年総合商社で船舶のビジネスに従事し、現在は英国人が経営している船会社の日本の拠点で営業活動をしています。 「船会社」とは何を指すの? 「船会社」を一言で言うとすれば「船で荷物を運ぶ会社」なのですが、それぞれの会社の仕事の内容は多種多様です。実際に運ぶ荷物を荷主と契約して、それを目的地まで運ぶ会社を一般的には「オペレーター」という言い方をします。日本で言えば日本郵船、商船三井、川崎汽船のような船会社です。規模の大小はさまざまですが日本のみならず世

今話題の『石油ガス』を運ぶ船とは?【船舶豆知識】
日本マリタイムバンク営業部の阿部です! 今回は先日「は・か・た・の・塩!」で有名な愛媛県今治市伯方島にある村上秀造船株式会社様で行われました現在建造中のLPG船、“AMAURY NEYRAND号”の見学会に参加してきましたのでご紹介させて頂きます。 LPG船とは? ところで、皆さんはLPGとは何かご存じでしょうか? 現在ニュースなどで取り上げられることが多いため、聞いたことはあるけどよくわからないといった方も少なくないかと思います。 そこで最初にLPGについて簡単にご説明させていただきます! 現在人々の生活でよく使用されているガスは大きくLPGを原料とするプロパンガスとLNGを原料とする都市ガ

石油は形に残らない?【船舶豆知識】
こんにちは、マリタイムバンク ファンド審査部の神保です。 長年石油ビジネスに従事してきた私が、今回「石油」という観点で書いていきたいと思います! 船が運んでいるものの代表例として「石油」があります。マリタイムバンクでも油を運ぶタンカーへの融資を行なっており、我々の生活を支える重要な役割を果たしています。 石油を運ぶ船とは? 石油は、『タンカー』と言われる船で運びます。本来タンカーとは液体を輸送する船のことで、船体内に大型のタンクを設置していることからタンカーと呼ばれます。 一般的に石油を運ぶタンカーを「タンカー」と呼ぶことが多く、石油タンカーの中でも に分かれています。 液化天然ガス(LNG)

船の機関部についての話
今回は機関部にスポットライトを当ててみたいと思います。 機関部の仕事は? 船のプロペラを動かすためのエンジン、船内の電気を作る発電機、蒸気を作るボイラー…船には様々な機械が搭載されています。 そうした機械を扱う専門部署が機関部になります。 機関長 英語ではチーフエンジニア(Chief Engineer)と呼びます。読んで字のごとく機関場の長という事で、機関場の最高責任者です。しかし、機器のトラブルで船を止めるかどうかの判断を迫られた時の最終決断者は船長ですので、組織上は船長の下に位置しています。とはいえ、船の多くのトラブルは機器関係のトラブルが多いので、船上におけるキーマンは機関長といっても過