海運のナレッジ

バウスラスターとは?

日本マリタイムバンク営業部の阿部です!

私、先日韓国の木浦(Mokpo)にて行われました船の修繕作業に立ち会ってきました!作業内容としましてはバウスラスターの解放整備がメインでしたが、みなさんバウスラスターとは何かご存じでしょうか?

今回は船の豆知識とあわせて説明していこうと思います!

まず、木浦とは韓国の西南部に位置する港町で、1900年代前半には8千人以上の日本人が住んでいた街であり、旧市街地では日本統治時代の和風建築や近代建築が多数残っています。

漁師町という事で、新鮮な海鮮食品を売っているお店やシーフードレストランが数多くありました。

それでは早速ですが、船の今回訪れた船のご紹介です!今回の船はタンクの大きさが5,000m³のLPG船でした。以前LPG船とはどんな船かというブログも掲載しておりますので、まだ見られていない方はこちら(ブログ【船舶豆知識】)をご覧ください!

ところでみなさん、バウスラスターのご説明を始める前に船の前後左右のことを何というかご存じでしょうか?まずは日本語で、前を船首(せんしゅ)または艏(おもて)、後ろを船尾(せんび)または艫(とも)と呼びます。艏や艫は非常になじみが薄い言葉ですね…。

ちなみに、右を右舷(うげん)、左を左舷(さげん)と呼びます。それでは英語ではどうでしょうか?前後はFrontとBack、左右をLeftとRight、、ではないんです!前をFore(フォア)またはBow(バウ)、後ろをStern(スタン)またはAft(アフト)、左をPort(ポート)、右をStarboard(スターボード)と呼びます。

なぜ左右をPort、Starboardと呼ばれるのかは諸説ありますが、昔の船は操舵を行う板を船尾の中央に取り付ける技術がなく、船尾の右舷側につけていました。

なので、寄港する際には基本的に左舷を岸壁につけることになります。従って、左舷側をPort、右舷側は操舵の英語、Steering(ステアリング)がなまってStarboardとなったそうです。以下の通り図で簡単に表してみましたのでご参照下さい!

さて、みなさん気づいたかもしれませんが、バウスラスター(Bow Thruster)のBowを船首のBowは同じ意味です!ということは、Bow Thruster=船首にあるプロペラということですね!こちらの写真がバウスラスターです。

サイドスラスターとも呼ばれており、これが何の役割を果たしているかといいますと、船を横方向に動かすための動力装置で、船が港で接岸や離岸作業を行う際の船首の角度調整を行っています。

バウスラスターがあることによって、微妙な角度調整が可能になり、離接岸の時間や手間を省略できる、かつ安全に作業を行えるようになる優れものなんです!

また、バウスラスターがない船は基本的にタグボート(Tug Boat)と呼ばれる船を押したり引いたりする船によって角度調整が行われますが、バウスラスターがあることによってこのタグボートの費用を削減することもできます。

今後船を見る機会がございましたら、ぜひ「この船はバウスラスターはついているのかな?」と気にかけてみてください!

それでは今回はこの辺で。次回もお楽しみに!

執筆者:営業部 阿部廣