海運のナレッジ

フィデューシャリーデューティー──信頼を守るためにできること②

どうも、日本マリタイムバンク代表取締役の昼田です!

前回は、「フィデューシャリーデューティー」という言葉との出会いと、その第一印象についてお話ししました。
フィデューシャリーデューティ──信頼を守るためにできること①

最初は正直、滑稽にすら思えたこの理念ですが、その後いろいろな人と交流を重ねる中で、自分なりの解釈を持つようになっていきました。

まず、日本人には「投資は悪」といった潜在的なイメージがあると思います。

さらに、バブル期以降の長いデフレ社会を背景に、お金は「銀行に入れておくのが一番安全」という考え方がスタンダードになってきたのではないでしょうか?

かくいう私も、真面目に働いて得た大切なお金は、コツコツ銀行に預金してきた一人です。これ自体は何も悪いことではないと思います。

問題は、こうした人が投資のことを理解しないまま投資をしてしまうことです。

そして、投資のプロの中には、そうした「投資リテラシーの低い人」に出会うと、「カモが来た」と考える人間が出てくる──これはある意味自然な成り行きではないでしょうか?

情報の非対称性と金融庁

海運業界ではまずありえない、この“情報の非対称性”こそが、金融業界特有の怖さなのだと感じました。
この業界を監督する金融庁についても、当初は「どうせ人ごとのお役所でしょ」と思っていました。

しかし実際には、かなりしっかりとした取り組みをしていることに気づきます。時間のある方は、金融庁が出している「顧客本位の業務運営に関する原則」」の改訂案をご覧ください。
(https://www.fsa.go.jp/news/r5/singi/20240702-1.html#別紙)

監督行政としては「投資リテラシーの低い人は投資するな」と直接指導することはできないでしょう。しかし、カモを狙うような業者をルールで縛ろうとしても、狡猾な業者はかならず抜け道を見つけ出します。中には「そのルールさえ守っていればあとは何やってもOK」というような開き直りに直面するケースも想定されます。

だからこそ、理念で縛る“プリンシパルベース”というアプローチを取り、投資家と事業者の双方がバランスを保てる世界を目指しているのだと思っています。

マリタイムバンクのフィデューシャリーデューティー

当社も、“ ご飯を食べるときには箸を使います ”と本来当たり前のことを自慢するように、フィデューシャリーデューティー宣言をしています(笑)。

少し残念な話ですが、プリンシパルベースをルールベースで管理されている側面があり、宣言の内容が形式的な文言になってしまっているので、ここで私たちなりの創意工夫を記しておきます。

①先着順の募集はしない

投資はよく考えてするものです。
「早く決めた者勝ち」と言うやり方や募集状況を見せて焦らせる方法で安易な投資を助長するやり方には共感できません。
また、募集期間には週末を挟み、考える期間を設けています。

②マイページでの情報共有

船の位置情報や、抵当権の設定が確認できる証書をマイページで公開しています。
エンターテイメント性もありますが、本質的には情報共有です。
前のブログでも説明した通り、失敗した時はこの船を処理して回収する重要な情報です。

本当に抵当権が設定されているのか、船がいるのか──失敗時の回収に直結する重要な情報です。

③情報発信

船舶投資や海運ニュースをSNSなどで発信してきましたが、最近は減っていることを反省中です。
このブログ、「マリタイムライブラリ」も同じ精神から始めたものです。

知識量の向上は、より良い投資社会のために必要不可欠だと考えています。

④船会社との間にブローカー

平時には、面倒に見える方法ですが、問題が起こった時に船会社の側に立たず、
投資家サイドに立っているための構造です。船会社の代理人であるブローカーを相手にすることで、最終的にお客様の利益を守る判断を迷いなく下せます。 

もちろん、船会社とは日頃から良い関係を築いていますが、
あくまでもいざという時にためらわず行動できる仕組みです。

今回は少し真面目なブログになりました。
次回は、皆さんの知識量向上のために海運や船舶投資の話に戻れるようネタを考えておきます。

【ご注意】

本記事は情報提供のみを目的としたものであり、投資の勧誘を意図するものではありません。

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