今話題の『石油ガス』を運ぶ船とは?【船舶豆知識】
日本マリタイムバンク営業部の阿部です!
今回は先日「は・か・た・の・塩!」で有名な愛媛県今治市伯方島にある村上秀造船株式会社様で行われました現在建造中のLPG船、“AMAURY NEYRAND号”の見学会に参加してきましたのでご紹介させて頂きます。
LPG船とは?
ところで、皆さんはLPGとは何かご存じでしょうか?
現在ニュースなどで取り上げられることが多いため、聞いたことはあるけどよくわからないといった方も少なくないかと思います。
そこで最初にLPGについて簡単にご説明させていただきます!
現在人々の生活でよく使用されているガスは大きくLPGを原料とするプロパンガスとLNGを原料とする都市ガスの2種類に分けられます。
LPGとはLiquefied Petroleum Gasの略で、液化石油ガスのことを意味します。プロパンやブタンが主成分であり、プロパンガスの場合は-42℃で冷却するか、常温で0.8~0.9MPa(8~9kg/㎠)の圧力をかけることで液化することができます。
石油ガスは、古代の植物の死骸などが地中深くの圧力と熱により、途方もない年月をかけて変化したものです。
そしてもう一つのLNGとは、Liquefied Natural Gasの略で液化天然ガスのことを意味します。メタンが主成分である天然ガスを-162℃まで冷やすことにより、液体化させたものです。そして、天然ガスも石油ガスと同様、古代の植物の死骸などが地中深くの圧力と熱により、途方もない年月をかけて変化したものになります。
ちなみにLPGをどのように海上輸送しているのか気になりますよね?
LPG船は大きく圧力式、冷却式、半加圧式の3種類に分けられます。
- 圧力式
上記で述べたように、LPGは常温で0.8~0.9MPa(8~9kg/㎠)の圧力をかけることで液化します。この性質を利用し、タンクに圧力をかけることによってガスを液化させます。特徴としては丸いタンクが船にちょこんとのっている感じです!
見たことある方も多いのでは?
- 冷却式
フルレフ船(Full Refrigerated)とも呼ばれたりします。上記で述べたように、LPGは-42℃で冷却することで液化することができます。単純にガスを冷やして液化させます。
タンクは船の内部にあります!
- 半加圧式
セミレフ船(Semi Refrigerated)とも呼びます。このタイプは圧力式と冷却式の両方の特徴を兼ね備えたハイブリッド船です。
圧力式のタンクが鉄板で覆い被せられているのが特徴!
見学会で見てきた船は?
それではようやく本題に入ります!(笑)
今回見学させて頂いたAMAURY NEYRAND号、全長151m、幅24mでタンクの大きさの合計が15,000㎥という圧力式のLPG船では世界で一番大きい船なんです!5,000㎥のタンクが3つも搭載されてます!すごいですね~
ちなみに同じサイズの船をもう一隻建造中です!
このような船が数ヶ月後には世界中にLPGを供給する人々にとってとても貴重な船になるんですね~。
日本の造船所は世界的に見ても様々な分野で挑戦し活躍し続けているのがよくわかりました!
それでは次回をお楽しみに!
執筆者:営業部 阿部廣