海事の世界へようこそ!―業界を情報で支える日本海事新聞―
―業界を情報で支える日本海事新聞―
皆さん、こんにちは!日本マリタイムバンク広報部の巌です。
普段あまり目にすることのない、でも海運業界で働く人にとっては「読まないと1日が始まらない」日本海事新聞を紹介させていただこうと思います。
日本海事新聞は、その名の通り「海運の業界」に特化した新聞で、海運、造船、港湾、物流など幅広い情報を提供しています。紙媒体だけでなく、デジタル版(https://www.jmd.co.jp)でも購読が可能で、記事も日本発のニュースだけでなく海外の船会社、造船所のニュースも発信しています。
そんな、日本海事新聞の記者、山本裕史氏にご来訪いただき、海運、造船、そしてその背後にいるたくさんの人々を情報で支えている日本海事新聞について逆取材させて頂きました。
ちなみに、山本氏は主に海外向けに記事の一部を英語にしてLinkedInから発信しておりフォロワー8,000人以上から支持される人気コンテンツとなっております。
アカウントURL:
https://jp.linkedin.com/in/hirofumi-yamamoto-a9b909161?trk=public_post_feed-actor-name
画像:山本裕史氏
Q1 日本の海事業界の現状からの日本海事新聞様の担いを教えてください
「まず、日本の海事業界について少し説明させていただきます。
少し古いデータですが、日本船主協会によりますと2022年時点で日本の海運会社、船主が実質的に所有している外航船は、外国籍の船も含めると約2,200隻あり、世界第3位の船舶所有大国になります(1位ギリシャ、2位中国)。造船業でも、今でこそ、だいぶシェアを落としましたが、中国・韓国と共に造船TOP3の位置にいます。また、日本は物資を輸入に依存する国であり、製造業には輸出が不可欠です。したがって、荷主としても日本は、大きな存在感を持っています。
そんな日本の海運関係者に、船のオペレーター(運航船社)、造船、金融、港湾、ロジスティックス関係の情報をいち早くお届けする事で役立つことが出来ていると考えています」
Q2 具体的にどの様な人(会社)が購読しているのですか?
「船会社や造船関連の企業が購読してくれていますが、購読者層は非常に多岐にわたります。船舶ファイナンスをしている銀行や、商社、港湾関係に加えて、例えば役所、物流関係といった所も購読してくれています。あと、海洋大学や商船学校なんていうところも購読しています。」
意外だったのですが、てっきり海運関係のニュースだけかと思っていましたが、ロジスティックス関係も取り扱っているんですね?
「はい、もともとは海運、造船が主力だったのですが、それだと購読者がなかなか増えなくて、、、そこで関連している物流全体のニュースも取り扱って裾野を広げたんですが、結構興味を持っていただき、ロジスティックスの記事も今では重要な位置を占めています。」
日本人だけでなく、外国人(外国の船会社など)も購読していますか?
「海外の海運や造船所に比べると、日本の会社は海外への情報発信が少なく、外国の船会社は特に造船関連のニュースに興味を持っていると思います。Linkedinなんかでも海運や造船所のニュースの反応は、他のニュースと比べても良いですね。あとは金融関係の情報も読まれていて、マリタイムバンクの記事も結構反応があった方だと思います」
外国の船会社を取材している記事もありますね?
「はい、外国の船会社が日本に出張してきた際にはインタビューさせてもらっています。彼らもインタビューされた記事が日本海事新聞に載る事で、日本の船主や造船所にアピールできる狙いがあるようですね」
Q3最近だとロシアや紅海のテロ関係なんかが読まれてたりするんじゃないですか?
「そうですね、地政学リスクや制裁といったテーマも注目を集める時があります。また、マリタイムバンクさんも得意としているスクラップの関心も高まっています。どういった人がどういった記事を読んでいるかはLinkedinだと分かりやすいですね。記者としては、なるべく読者の関心がある記事を届けたいと思いますから。」
テレビだとスポンサーには逆らえないので、スポンサーに配慮した記事になる事もあるようですが、日本海事新聞さんはどうですか?
「日本海事新聞は他の多くの新聞社と同様に上場企業ではないので、不特定多数の株主がいると言う様な事はないです。購読料だけでなく、広告料なども収益としてはありますので、ある程度の配慮はしますが、例えば大きな事故は、一般紙でも取り上げられてニュースになりますよね?そういった一般紙の記事は一辺倒で表面的な内容なので、我々は専門紙として、一歩踏み込んで記事にします。中には広告主の船が事故を起こす事もありますが、やはり読者の関心も高いですし、配慮よりも「事実は事実として」記事にさせてもらっています。なんで、うちは結構バンバン書いちゃう方です。まあ、だから取材させてくれと言うと警戒され事もあったりします(笑)。」
いいですね!むしろ読者としてはそういったスタイルは共感します。
Q4 編集体制と購読料金について教えてください
「記者は不定期船チーム4名、造船チーム3名、内航・行政担当1名、コンテナ物流チーム6名で構成されており、記者とは別に誌面構成などを担当する製作チーム(デザイン)が6名います。購読層の分析を担当する営業企画部もあります。購読料は、紙媒体と電子版を併用できるWプランが月額9,350円(税込)、海事電子版プランが月額8,250円(税込)の2種類を提供しています」
マリタイムバンクは個人による船舶投資を広めています。ただ、まだまだ船舶投資リテラシーが低いのが現状で、日本海事新聞を読んで海運の動向を知ってもらいたいと思いますが、マリタイムバンクの投資家だけに安い購読料とか案内できないですか?
「日本海事新聞は専門紙なんで、どうしてもある程度海運がわかっている人が読む記事になっています。海運のことを全くわからない人が記事を読んで理解するのは難しいでしょうね。でもマリタイムバンクさんの考えは素晴らしい事だと思います。料金に関しては、、ちょっと難しいかな?検討しておきます(笑)」
まとめ:海事業界の魅力を感じて
いかがでしたか?海事業界の魅力と業界を支える日本海事新聞、そしてそれを支える山本氏をはじめとした編集チームの情熱を少しでも感じていただけたでしょうか?
私も、逆取材と当記事作成を通じて勉強になりました。これからもマリタイムライブラリーの記事を通して海運関係者を紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに!